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照柿/高村薫

高村薫好きなカナリアですが、その中でも合田刑事もの三部作はお気に入りです。一作目の「マークスの山」については既に書きました。今日は二作目の「照柿(テリガキ)」について書きます。

照柿(テリガキ)
講談社 1994/07出版 498p 20cm ISBN:4062069024 \2,100(税込)

久しぶりに読み返してみましたが、やっぱりいい!。思い切り感情移入です。読む手が止まりません。

様々な悩みや苦しみ、憤怒、そして迷い、合田雄一郎刑事は壁の中で懊悩します。作品中何度も出てくる話として、合田刑事はドアの無い家の窓から外を眺めるのみであると。外から人は入ることができない。受け入れる状態にない存在・・・、実は誰にも心を開いたことがない、悲しい存在として描かれています。刑事として優秀でありながら、自分を追いつめていきます。

合田刑事の幼なじみの野田達夫もまた追いつめられていきます。本来の自分を封印して生きてきた17年間、本来の自分が噴出し、ついには人を殺めます。自分は未来の人殺しであり、そして現在の人殺しとなるのです。

読んでいると、とても痛いお話なのですが、生きるというのはスマートなものではなく、こんなにもドロドロとしたものなのかもしれません。懸命に生きる彼らの姿を追っていると、とても切なくなってきます。

作品中、ダンテの「神曲」のお話が出てくるのですが、カナリア、読んだことがありません。今度挑戦してみようかと思っています。

ともかくカナリアにとっては、強力に推薦したいシリーズであり、一冊です。

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